ピンドラ大人時代SS「おもちゃの兵隊」
- 2012/07/30 22:30
- カテゴリー:輪るピングドラムSS
きっとなにものにもなれないSSを記念に書いておく記事です。
読んでやろうという方は↓のリンクからどうぞ。
剣山の生存戦略のお話っぽい小ネタ。
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【 おもちゃの兵隊 】
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この世界は間違っている。
人は平気で誰かを踏みつけにし、その甘い汁を啜って生き延びた卑怯者達が、我が物顔でこの世界を支配している。
そんな世界は間違っている。
帰国してすぐ、剣山は鷲塚を訪ね賛同を求めた。
彼なら当然理解してくれると考えていた。
しかし、彼は剣山の期待を裏切った。
剣山は幻滅し、鷲塚のもとを去った。
けれど、剣山は孤独ではなかった。
千江美は剣山を温かく迎え入れ、剣山の経験と理想を理解した上で、その実現を支えることを約束した。
剣山は方法を模索した。
どうすれば、この汚れた世界を浄化することができるだろう。
南極環境防衛隊の生き残りが、彼に力を貸してくれた。
剣山は、眞悧に感謝していた。
彼のお陰で、世界のあるべき姿がはっきりわかった。
眞悧をトップに据えて、剣山は組織を編成した。
組織の方針、実行すべき手段や計画について、眞悧は指針を提示した。
彼のその発想は奇抜でありながら、非常に有用だった。
彼が方向性を示し、剣山がそれを実現する。
そうして組織はめまぐるしいスピードで成長し、計画は進行した。
眞悧が連れてきた男、夏芽は、組織に莫大な資金を提供した。
そのお陰で、テディの生産は順調に進んだ。
千江美の腹に新たな命が宿り、剣山は生まれてくる我が子の為にも、計画を実行に移すことを決意する。
綿密な計画のもと、生存戦略は決行された。
最初にして最大、最高のプロジェクト。
しかし、それは失敗に終わった。
想定の半分の成果しか得られず、組織の要であった眞悧も謎の失踪を遂げる。
華々しい失態に、組織は傾いた。
ある者は組織を離脱し、それを許さない他の者が彼らを駆逐する。
そうして残ったメンバーで、計画は継続された。
未だはき違えたままの世界を正すため、本当のあるべき姿に導くため、彼らは名を変え、潜伏した。

